*ニキビの薬・過酸化ベンゾイル(benzoyl peroxide)の詳細はこちら*
市販のニキビ薬の代表的な有効成分は、大体こんなもんだと思う。それぞれ働きが違うことに注目。アメリカで主流の過酸化ベンゾイルは、日本では医薬品としての使用は認可されていない模様。
イオウ (sulfur) | |
効果・効能 | 古くからニキビ治療薬として使われている。乾燥・ピーリング効果があるらしい。脂漏性皮膚炎や酒さの治療にも使われる。 |
副作用その他 | 臭い・・・。肌を変色させる可能性がある。他の成分と比べると効果が弱く(効果が見られるのは基本的に軽度のニキビ限定)、細胞の癒着を促すことによって更なるニキビの原因にもなりかねないため、おすすめできない。アクネ菌を殺す効果も無い。 |
代表的な商品 | ビフナイト(小林製薬) メンソレータム アクネス薬用アクネジェル(ロート製薬) メンソレータム アクネスニキビ治療薬(ロート製薬) クレアラシル(ブーツ・ヘルスケア・ジャパン) ピンプリット(資生堂薬品) |
レゾルシン (resorcinol) | |
効果・効能 | ピーリング効果がある。「サルファー・レゾルシン処方」のイオウが主成分の薬によく入っていて、単独でニキビの薬として売っていることは無い。 |
副作用その他 | 表皮剥離が目的なだけあって、刺激が強いので、他の刺激が強いものとの併用は避ける。 |
代表的な商品 (イオウと) |
メンソレータム アクネス薬用アクネジェル(ロート製薬) メンソレータム アクネスニキビ治療薬(ロート製薬) クレアラシル(ブーツ・ヘルスケア・ジャパン) ピンプリット(資生堂薬品) |
サリチル酸 (salicylic acid) | |
効果・効能 | ベータヒドロキシ酸(BHA)。ピーリング効果。毛嚢を覆う皮膚の角化を抑制し、毛穴が詰まるのを防ぐ。コメドの分解を助ける。炎症の無いニキビに効果がある。 |
副作用その他 | ピリピリ感がある。アクネ菌を殺す効果は無い。イオウ、過酸化ベンゾイル、アルコールなど、刺激の強いものとの併用は避ける。 |
代表的な商品 | メンソレータム アクネージア(ロート製薬) プロアクティブ(ガシーレンカー・ジャパン) |
イブプロフェンピコノール (ibuprofen piconol) | |
効果・効能 | 非ステロイド系の抗炎症薬。既に出来てしまったニキビの炎症・痛み・痒みを抑える。 |
副作用その他 | 比較的安全らしいが、対症療法なので、ニキビ予防・治療にはならない。重症のニキビ用に売っているものもあるが、重症の場合はこんなの使ってる場合じゃなくて、医師に要相談。 |
代表的な商品 | フレッシング アクネクリーム (久光製薬) ペアアクネクリームW (ライオン)← 効能に関する文献が殆ど無い(現時点で)殺菌剤も含まれている |
過酸化ベンゾイル (benzoyl peroxide) | |
効果・効能 | アクネ菌を殺す(分解して酸素を放出するので、絶対嫌気性菌であるアクネ菌に効果的)。軽いピーリング効果がある。皮脂の分泌を抑える。 |
副作用その他 | 過剰な乾燥、ピリピリ感、赤みなど。日光に敏感になる。日焼け止めと保湿が必須。毛髪や衣類・シーツなどに付くと脱色してしまう。人口の3%はアレルギーで、その場合皮膚の炎症が起こる。顔の場合、AHAやサリチル酸などとの併用は、刺激が強すぎるので避ける。 |
代表的な商品 | Acne.org Treatment Gel(Acne.org)→個人輸入方法 Neutrogena On-The-Spot Acne Treatment(Neutrogena) Clean & Clear Persa-Gel(Johnson & Johnson) Clearasil Acne Treatment Cream(Boots Healthcare USA) Acne Free(University Medical) Proactiv Solution(Guthy-Renker) など、多数。 |
備考 | 過酸化ベンゾイルに関する詳細は、このページへ。 |
その他効くと言われている成分
注:基本的に民間療法で、リサーチによる裏づけはあまりありません。
ティーツリーオイル (tea tree oil) | |
効果・効能 | アクネ菌への直接の影響はわからないが、殺菌効果があるらしい。 |
副作用その他 | 1994年発表の研究では、5%ティーツリーオイルの効果は5%BPOよりも現れるのは遅いが同等の効果があり副作用も低いとあるが、その後の研究はあまり進んでいない模様。アレルギー反応を誘発することもあるのでパッチテスト(肘内側に塗布し24時間放置)は必須。匂いが苦手な人も(針葉樹系の匂い)。内服は毒性あり。 Tea Tree Oil - Medline Plus (NIH) |
パントテン酸/ビタミンB5 (pantothenic acid) | |
効果・効能 | ニキビはパントテン酸の不足が原因である、という仮説から。基礎研究以後の発展が無く、効果は未立証。ビタミンB5不足とニキビとの因果関係、効能のメカニズムともに信憑性が低い。 |
副作用その他 | 水溶性なので基本的に安全だが、極端なメガドースだと下痢、ビタミンB1欠乏症(下痢、疲労)など。 |
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