個人輸入ガイドを更新しました
* UPDATE * 日本で2008年にアダパレン(ディフェリン)が認可され、保険もきくらしいので、わざわざBPOを個人輸入する前に皮膚科で処方してもらって試してみるのも良いかと。
Benzoyl peroxide (ベンゾイル・パーオキサイド/パーオキシド、以下BPO)は、アメリカで広く使用されている処方箋不要(OTC)のニキビ治療&予防薬の有効成分。日本語名は「過酸化ベンゾイル」。
日本では小麦の漂白以外ではあまり使用されてないらしく、化粧品や医薬品としても今のところ認められていない様子→プロアクティブのオマケとしてついてくるナイトクリームには入っているので(2007年現在)、原料・添加物としてはOKだけど、ニキビ薬の有効成分としては認可されていないだけかも。
ニキビの原因となるバクテリアに対する殺菌作用(皮膚に塗られたBPOは分解し酸素を放出するため、絶対嫌気菌であるアクネ菌に有効。抗生剤ではなく薬剤耐性を誘発することは無い)と乾燥・ピーリング効果があるため、サリチル酸(=BHA、ピーリング効果で過剰なコメドを防ぐ)やイオウ(乾燥作用)などよりも直接的な効果があり、軽度〜中程度のニキビ肌に一番効果的とされている(むしろ軽度〜中程度のニキビには、処方薬よりもBPOのほうがよく効く&コスパが高いらしい)。
で、何をもって軽度〜中程度なのかというと、『赤ニキビが顔全体にボツボツ』くらいまで。かなり痛みを伴う化膿したニキビ(黄ニキビ、結節など)が沢山できるような重度のニキビ肌の場合、大抵のケースは医者にかからないとコントロールは難しいらしいが(米国の場合:抗生物質、トレチノイン等の外用薬、それでもダメならアキュテインが処方される模様)、個人差はあれど、地道に使えば効果が期待できるそう。
→ ニキビの程度・図解
BPO含有商品は、洗顔料なども多く市場に出ているものの、一番効果的なのは洗顔後に塗って放置するタイプ。MAX濃度10%の商品が殆どだけど、それは「Maximum Strength=一番効果がある」と勘違いする消費者傾向のためで、実際は10%だと強過ぎ、顔がガッサガサのカッチカチになっちまう可能性が大。
特に初心者や広範囲のニキビに悩む人は、効果が同等で且つ副作用(極度の乾燥・肌荒れ)が少ない濃度2.5%がベスト[6, 7]と思われる。
週 | 軽度〜中程度 | 重度 |
1 | 穏やかな改善。BPOに慣れる段階の赤み、荒れ、痒みなどが見られる | 大抵の場合僅かな改善、時には初期的な悪化も見られる。BPOによる赤み、荒れ、痒みなど。 |
2 | 更なる改善と時には再発も。新たなニキビは以前より早めに解消。赤みや荒れがやや改善。古いニキビ痕は依然赤く残る。 | 炎症の改善と再発の繰り返し。赤み、荒れ、痒みは依然続く。ほかの治療法に目移りし始める。 |
3 | 明らかな改善。炎症ニキビが皆無、またはその方向に向かっている。赤いニキビ痕は依然残る。 | 改善が続き、再発も最小限に。肌の赤みは見られるが痒みは消える。赤いニキビ痕は顕著。 |
4 | 肌の見た目は非常に良好。新しいニキビは出ないが、赤いニキビ痕は残る。 | 多くの場合、肌の状態が明らかに改善。そうでない人は焦りを感じるが踏ん張りが大事。BPOによる肌の赤みは消えるが、赤いニキビ痕は依然残る。 |
5〜 | 肌は炎症ニキビの無い状態が続き、ポツポツ出る新しいニキビも即急に解消。赤いニキビ痕は徐々に薄れてくる。 | 多くの場合、炎症ニキビはもう無いが、断続的な再発と奮闘する人も。赤いニキビ痕は徐々に薄れつつある。現治療法から逸れたい衝動を抑え、規則通りに継続。 |
8〜 | 治療継続により肌はニキビの無い状態が続く。美しくクリアな肌になるまで、赤いニキビ痕も薄れ続ける。 | 大抵3ヶ月目までには頻発ニキビに完全に歯止めがかかる。あまり重篤でない場合、ニキビゼロを維持するためには治療を継続するだけ。赤いニキビ痕は引き続き薄れ消えてゆく。単発的なニキビは想定内。 |
前述のように、ニキビ治療薬としては日本では未認可のため、日本国内で入手するには
のどちらかの方法になると思う。いずれにせよやや割高になっちゃうとは思うけど、抗生物質配合薬(Benzamycin、Benzaclinなど)やトレチノイン配合薬以外はOTC(over-the-counter、処方箋不要の市販薬)で同等の濃度のものが買えるので、輸入しても値段はそんなに高くないハズ。日本語のサイトで時々ものすごい法外な値段で売ってるところもあるので、ボッタクりには要注意。参考までに、チューブ入りOTC薬(1oz = 28g)の定価は日本円でせいぜい500〜800円程度です。
さて、個人的なオススメは(回し者ではありません)Acne.orgのオリジナル商品The Acne.org Regimen 2.5% Benzoyl Peroxide Gel(旧Dan Kern's Regimen Gel)
高品質で使いやすい無香料のジェルで、しかもお買い得エコノミーサイズ(グラム当たり他の商品の2〜4分の1)。
ほかに市販している2.5%濃度のものはNeutrogena® On-the-Spot Acne Treatment(21gで $ 7)やProactiv®くらいだし(プロアクティブの廉価版Acne Freeは3.7%。ダラダラでゴリゴリしてて個人的には使いにくかった)、日本への送料を入れてもかなり割安だと思う。
*UPDATE* Acne.orgの影響か(?)、結構BPO2.5%の商品が増えた模様。が、やや高級志向and/orマイナーな化粧品メーカーが多く、概ね割高。アメリカ国内から注文するなら、Acne.orgに比べれば大分割高だけど品質に定評のあるPaula's ChoiceのClear Regular Strength Daily Skin Clearing Treatment with 2.5% Benzoyl Peroxideもオススメ。
上記のサイトではレジメンに適した洗顔料とモイスチャライザー(一般的な乳液よりもかなり濃いローションで、日本人好みではないかも)、それに格安のホホバオイル(BPOの使用によるカサつきを抑えるため日焼け止めクリームなどに数滴混ぜるなどして使う。個人的にはシェービングオイルとしても使用。その他の用法・説明)、AHA(グリコール酸)10% ローションなども販売。洗顔料とモイスチャライザーは何の変哲も無いシンプルなもので(BPOも不含有)、高い送料を払って輸入する価値は無いと個人的には思いますよ。
個人輸入が面倒、クレジットカードが無い、または大量に仕入れる前にちょっとだけ試したい場合は、日本で輸入している業者から購入するオプションがある。
456 Shopping Streetが、見つけた中では一番安かったので、リンクしときます。
以下、その他の代表的なBPO含有ジェル/クリーム/ローション。前述のとおりアメリカのニキビ薬としては主流のため多種類出てるけど、その殆どは BPO 10% なので、使用するなら過度の乾燥などの副作用を避けるためにごくごく薄く and/or ピンポイントに塗るように気をつけたほうが良いかと。
Clean & Clear Persa-Gel 10, Maximum Strength クリーン&クリア・マキシマムストレンクス・パーサジェル 1 oz (28 g) BPO 10 % ジェル。 Johnson & Johnsonのニキビ肌向けClean & Clearライン。以前は5%のもあったんだけど・・・。 |
ZAPZYT Maximum Strength 10% Benzoyl Peroxide Acne Treatment Gel ザプジット・アクネトリートメントジェル 1 oz (28 g) BPO 10 % ジェル。 |
Clearasil Maximum Strength Acne Treatment Cream クレアラシル・アクネトリートメントクリーム 1 oz (28 g) BPO 10 % クリーム。無色と肌色あり。 |
Proactiv® Solution プロアクティブソリューション ※ 米国版: 洗顔料とローション(共にBPO 2.5 %)+ アルコールフリーのウィッチヘーゼル(ハマメリス)とグリコール酸(AHA)配合の拭き取り化粧水の3点セットが基本。 日本版: 洗顔料とデイクリーム(共にサリチル酸配合) + 恐らく米国版と同じ拭き取り化粧水のセット。オマケのナイトクリームにBPO含有。※下記参照 BPOの含有量は良いのだが、香料が気になるのと(個人差あり)高価なのが欠点。 |
University Medical AcneFree Clear Skin Treatments アクネフリー・クリアスキントリートメント プロアクティブの廉価版で、洗顔・拭き取り化粧水・トリートメントのセットが、以下の3種類。 敏感肌用(Sensitive):サリチル酸(BHA)2%洗顔 /3%BPO、定価 $ 20 オリジナル :2.5%BPO洗顔 / 3.7% BPOローション、定価 $ 20 重症用(Severe):2.5%BPO洗顔 / 10% BPOローション / レチノールクリーム、定価 $ 30 ず〜っと前(10年以上)に使った時は、個人的には肝心のローションがダラダラでゴリゴリしてて質感が悪く使いにくかったけど、いい加減に品質改良したかな? |
因みに、Acne.org は、主催者の試行錯誤で極めた独自のニキビ対処法を紹介。
The Acne.org Regimen (旧Dan Kern's Regimen)
=と言っても、全て市販の商品で実行可能な3ステップ:
1)マイルドな洗顔料
2)2.5% BPO(少量 → たっぷり)
3)保湿 + UV対策
このレジメンの詳細な説明や、ニキビに関する詳しい情報が掲載されているので、
ニキビにお悩みで英語が判る方にはオススメのサイトです。
ニキビについて(メカニズム、他の治療薬、スキンケアetc.) 詳しくは「ニキビについて」のセクションをご覧ください。 |
最終更新日:2014年8月7日
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一部のサイトなどで「発ガン性がある」などと書いてる人がいたけど、複数のリサーチの結果、少なくとも現時点では通常ニキビの薬として使用するくらいの濃度では安全らしいので、ご安心を。でも塗ると皮膚が紫外線に敏感になるのは事実なので、日焼け止めの併用は必須。ネットで調べてみたところ、BPOの発ガン性を誇張してデマを流しているのは「ナチュラル系」の製品を販売するサイトが多く、とても中立的とは言えないものばかりだった。BPOはアメリカではニキビ治療薬としてかれこれ40年使われているらしく、かなり一般的に出回っているので、発ガン性があったら表面化しているんじゃないかと。
因みに発ガン性の根拠として挙げられているのは1981年発表の1論文で、ニキビ治療とは用法が違う上に直接の因果関係を証明していないとのこと。
参考:Does benzoyl peroxide cause cancer? - The Beauty Brains (4/8/08)