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TRANS* TESTOSTERONE 健康的生活習慣

テストステロンは、専門家の管理下で使用する分には比較的安全な薬ではあるものの、前述の通りあまりありがたくない 副作用 があることも事実なので、ベースとなる日常生活で気をつけておくに越したことはないでしょう。以下は、必ずしもホルモン治療をしてる人限定ではないけど、折角苦労してトランジションした後をなるべく長く健康で幸せな人生にするための心がけとして、自戒の意味も込めてリストアップ。参考になれば幸いです。

 健康的生活習慣のこころがけ

  1. タバコをやめる・適正飲酒

    テストステロンだけでも血管の弾力性を弱めたりコレステロール値を上げたりする副作用があるので、その上にタバコは更に悪影響。様々な発ガン性は言うまでもなく、血液の循環も悪くなるので手術の際には合併症発症率を高めるし、口腔衛生への悪影響など、喫煙者本人は勿論、家族や友人など周囲への健康被害も数知れず、金銭面ではタバコ代 [1] だけじゃなく、ゆくゆくは喫煙による疾患の治療にもバカにならない出費をするハメになるなど、喫煙はまさに百害あって一利無し [1] 。ここはひと皮剥けて、建設的に認知的不調和を解消しましょう [2]

    数ある禁煙サポートサイト [1][3][4] や禁煙成功者の体験談を読んでやる気を出してみるのも良いし、最近はニコチンパッチやガムだけでなく、効果的な薬も出ているので、特に独自の禁煙に失敗している人は禁煙外来を受診するのも良いかと[1]。薬物中毒なので、その治療に医療機関を頼ることを躊躇う必要は無いでしょう。

    アルコールについては、1日1ドリンク(アメリカの場合・純アルコール 14g 相当)までであれば循環器疾患に対する予防効果があるという報告もあり [5]赤型体質でもない限り完全禁酒の必要は無さそうだけど、1日1ドリンクでは済まない人も多いのが問題。肝臓への負担をはじめ過剰飲酒による健康被害は大きいので、節制は重要。

    適正飲酒量や目安となる「1ドリンク」は国によって異なり、平均的に身体が小さい日本人の場合はアメリカよりも当然低め:
    通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である [6]

    日本の「1ドリンク(純アルコール10g)目安 [6]
    • ビール・発泡酒(5%):250mL(中ビン・ロング缶半分)
    • チュウハイ(7%):180mL(コップ1杯または350mL缶半分)
    • ワイン(12%):100mL(グラス1杯弱)
    • 日本酒(15%):80mL(0.5合)
    • 焼酎(25%):50mL
    • ウイスキー・ジンなど(40%):30mL(シングル1杯)

    上記を目安に、適正飲酒量は1日2ドリンクまで

    詳しくは、厚労省の『飲酒のガイドライン』を参照。

    [1] すぐ禁煙.jp - ファイザー
    [2] 心理学用語「認知的不協和」theory of cognitive dissonance - goo ヘルスケア・健康用語
    [3] 禁煙サポートサイト いい禁煙 - ノバルティス
    [4] 厚生労働省の最新たばこ情報 - 公益財団法人 健康・体力づくり事業財団
    [5] Alcohol use: If you drink, keep it moderate - Mayo Clinic
    [6] 飲酒のガイドライン - 厚生労働省 e-ヘルスネット


  2. 栄養バランスが良くバラエティーに富んだ食生活

    以前はここで「高品質なマルチビタミンの使用」を推奨してたんだけど、年々当初の印象よりも健康な人が使用するメリットが不明瞭になってるので、現時点では撤回しておきます。どうもスミマセン(汗)。
    最新の研究では、既にビタミン欠乏症であるか、不足しやすいコンディション(妊婦、肥満手術後、高齢者、完全菜食主義者 vegan など)でも無い限りサプリメントの使用は不要で、
    むやみなマルチビタミン剤の使用は無意味、或いは有効性よりも危険性のほうが高いため、推奨できない [1]
    と結論づけられています。

    食物にはサプリメントではカバーできない様々な栄養素(食物繊維、抗酸化物質など)が含まれていて、理想としてはいろんな種類の新鮮な野菜、果物(糖分多いので適度に)、豆類、穀物などを優先的に食べて、得てして低栄養熱量(エンプティーカロリー)や グリセミック指数(GI)が高い精製食品(小麦粉、米粉、白砂糖等とそれらを使用した食品)は控えめに、って話ですよ、今のところ。

    特定の食品を指して『◯◯がカラダに良い!』『△△がカラダに悪い!』などという、流行り廃りの激しい『新事実』に逐一動揺しないように注意(大概『カリスマ医師』か何かの持論・極論で、根拠激薄 [2]。健康意識がいくら高くても、栄養学の基本中の基本も分かっていないと流行やデマに振り回されやすいので、「糖質?脂肪酸?よく分からん」って人は是非、栄養についての基礎知識を身につけましょう [3]
    栄養に関する基礎知識:栄養素の働きや消化吸収のしくみについての簡潔な解説
    「健康食品」の安全性・有効性情報:トクホやサプリメント等のエビデンス

    また、直接的なTの副作用ではないけど、内摘後の骨粗鬆症を防ぐために、なるべく早いうちからカルシウムビタミンDの充分な摂取(+骨に負荷のかかる運動)を心がけることも重要。カルシウムには骨の強化以外にも、筋肉の収縮、血管の伸縮、ホルモンや酵素の分泌、神経間の伝達などにも大きく関わっている。
    骨粗鬆症予防について(別頁)

    [1] Guallar E., Stranges S., Mulrow C., Appel L.J. & Miller E.R. (2013). Enough Is Enough: Stop Wasting Money on Vitamin and Mineral Supplements, Annals of Internal Medicine, 159 (12) 850-851.
    [2] 「健康食品」の安全性・有効性情報 - 独立行政法人 国立健康・栄養研究所
    [3] 栄養に関する基礎知識 - 国立循環器病研究センター

  3. 適度な運動の継続・T開始当初の筋トレは控えめに

    ホルモン治療開始初期にあまり激しく筋トレをすると、急激な筋肉の肥大についてゆけず腱や靭帯を傷める危険性があるので、最初の一年ほどは筋トレは控えめに。ウォーキングやジョギングなどの有酸素(エアロビック)運動は、器具の購入やジム入会が不要で、比較的安全&手軽に始められる。有酸素・無酸素運動問わず、骨に重量のかかる運動は内摘後に心配な骨粗鬆症予防にも繋がるので、FTMは定期的な運動習慣を身につけておいたほうが良いでしょう。減量のため一時的に行うのではなく、今後の生活習慣の一部となるように、楽しみながら続けられる運動を見つけることが理想。

    因みに日本とアメリカの各政府による指針は以下の通り(ともに一週間分の合計で、一気にやる必要なし)


    ★ 適度な運動を続ける7つのメリット [3]Mayo Clinicより):

    1. 肥満防止・健康体重の維持
      運動によるカロリー消費で健康体重維持に繋がる。減量効果を得るには長時間割く必要はなく、運動が出来ない場合は普段の生活で簡単に活動量を増やせばよろし(エレベーターの代わりに階段を使う、いつもより家事を頑張る、etc.)。
    2. 病気の予防・改善
      適度な運動を継続することでHDL(善玉コレステロール)値が上昇 & トリグリセリド値が低下し、血流がスムーズになって循環器系疾患予防の効果あり。また、メタボリックシンドローム、II型糖尿病、脳梗塞、鬱病、一部の癌、関節炎、転倒リスクなど、様々な健康問題の予防や改善にも効果的。
    3. 心理的効果
      ジムでの運動や30分ほどのウォーキングで、ストレス発散や気分転換に。運動によって様々な脳内化学物質の分泌が促進され、幸福感・リラックスの効果も期待できる。運動を続けることによって自分自身と自分の身体に対して肯定的になり、自信や自尊心の向上にも繋がる。
    4. 体力の向上
      日常生活で疲れやすい人も、運動を続けると筋力・持久力・心肺機能が向上。
    5. 睡眠の改善
      適度な運動を続けると、寝付きが良くなり、眠りも深くなる。但し、運動する時間が就寝時刻にあんまり近いとエネルギッシュになってしまい寝付きが悪くなるかも知れないので避けよう。
    6. 性生活の改善
      運動による体力向上と心理的効果によって、性生活の改善も期待できる。運動をしている女性は性的興奮度が高まり、男性はEDになりにくいというデータも。
    7. 運動は娯楽にもなる
      運動は、気分転換したり、野外を楽しんだり、単に好きな運動を楽しんだりする機会になる。何かのクラスに入会すれば、社交的機会にも。色々試してみて、楽しく続けられる運動を見つけよう。

    [1] 健康づくりのための身体活動基準 2013 - 厚生労働省
    [2] 2008 Physical Activity Guidelines for Americans - The U.S. Dept of Health and Human Services

    [3] Exercise: 7 benefits of regular physical activity - Mayo Clinic

  4. 良質な睡眠を充分にとる

    質の良い睡眠が取れない状態が続くと、新陳代謝や内分泌系、免疫系などへの悪影響があり、肥満(食欲増進)、II型糖尿病、循環器系疾患、鬱病を含む精神疾患の危険増、情報処理能力・記憶力・集中力の低下等の弊害も報告されているので、なかなか油断できない。[1]

    成人の平均必要睡眠時間は非常に個人差が大きいらしく、睡眠の質にもよるので、一概に何時間寝ればOKという数字は無いものの、基本的に寝起きスッキリで日中の眠気に困らなければ、それが適正睡眠みたい。基本的必要睡眠量(basal sleep needs、成人平均値は7〜9時間)は遺伝的な部分が多く、日々の睡眠不足(sleep debt)との兼ね合いで、その日その日に必要な睡眠時間も変わってくるとのこと。『寝溜め』は出来ないけど、睡眠不足は溜まるとか。また、科学的根拠は現時点では寝不足ほど顕著で明確ではないが、寝過ぎ(一晩9時間以上)も健康的ではないという報告もある。 [1]

    睡眠障害の予防法は、『睡眠障害対処 12の指針』を参照。[2]

    [1]How Much Sleep Do We Really Need? - National Sleep Foundation
    [2]Suimim.net 健やかな睡眠のために - 田辺三菱製薬健康支援サイト

  5. 定期検診 & 情報収集

    一番重要なのは、医薬品を常用している身なのだから定期検診を怠らず、何か異常があったり疑問がある場合には専門家(主治医)に相談するように心がけることでしょう。

    また、GID治療は比較的歴史が浅い分野であり、医師のクオリティーにもバラつきがあるので、任せっきりにならずに自分の健康管理については自分なりに情報収集*して知識を蓄えるのも、ホルモン治療を受ける選択をした自分に対する責任かもよ・・・とエラそうに言ってみる。

    * 但し、ネット上はデマ垂れ流しサイトが蔓延しているので、情報収集にはかなりの注意が必要。特に日本語でサーチすると、当サイトのような(;^ω^)無料ブログ・HPが多くトップ表示され、見るとソースも示さず詭弁まみれで煽情的な内容が多くてヤバい。
    特に医療・健康に関する実証的事実を求める情報収集の際は、必ず論拠&ソースの確認を!
    経験則としては、できれば政府機関(.go.jp
    .gov)や教育機関(.ac.jp.edu)、もしくは以上との関わりが深い専門機関(主に.or.jp.org など)による情報を優先するのがオススメ(基本的に科学的根拠に基く専門家のコンセンサスが情報として提供されているため)。 口コミ・体験談(事例証拠)はあくまで参考までに。

    ↓ 一読おすすめ ↓
    科学的根拠のある情報とは? - 「健康食品」の安全性・有効性情報(独立行政法人 国立健康・栄養研究所
    健康食品を選ぶ際の注意点だけど、医療・健康関連の情報については共通して言えることも多いので有用かと。

最終更新日:2014年3月24日

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