TRANS* SRS 内摘 合併症・誤解・骨粗鬆症予防
術後の症状・リスク・誤解
いくら比較的安全とはいえ、手術は手術。しかもほぼ例外無く全麻で行われるものだし、リスクもあります。そもそも、テストステロン治療を始めたFTMが必ず受けなければならないのかどうか、専門家の間でも意見が分かれます(勿論、受けない場合は、問題の臓器の状態に注意が必要なわけですが)。術後のリスクや必要性をしっかり考慮したうえで、手術するかどうかを決めましょう。
術後は、TAHでは3〜5日間の入院後6〜8週間の回復、TVHだと2〜3日の入院後6〜8週間の回復、腹腔鏡手術だと1〜3日の入院後4〜6週間の回復というのが一般的。内摘は、内臓をかなりゴッソリと取ってしまう手術のため、体に対する負担も大きめなわけだけど、術後の具合や回復の速度にはかなり個人差があるみたい。
【 術後によくあるけど異常ではない症状 】
- 吐き気
麻酔のため。吐き気を防ぐ薬もあるので、事前に処方してもらうと良いかも
- 手術した部位の痛み
鎮痛剤が処方されるはず。特に最初の12時間でかなりよくなり、その後の痛みも通常1週間程度で無くなるらしい。
- 横隔膜または肩の痛み
腹腔鏡手術の際に腹腔を膨らませるガスのためだが、一時的。
- 腹痛
腸が活動再開する際の痛みで、術後24〜36時間後から6時間くらい。動けるようになったらすぐ歩き回るようにするのが一番とか。
- 疲労感
術後2週目以降が辛いらしい。よく昼寝をしたくなるのも普通。退院後はできるだけ頻繁に散歩などをして体を動かすのが良い。
- 便秘
腸のバランスを元に戻すためにヨーグルトまたはプロバイオティック(アシドフィルス)の錠剤やプルーンが良いみたい。
- 膀胱の機能や尿意の変化
子宮から剥がされて位置が変化するため。術後2週間で元に戻るらしい。
- 食後や排便時の腹痛
術後2〜4週間かけて改善するらしい。
- 膣からの出血
膣上部の縫合部が完全に塞がるのに6週間ほどかかるらしい。術後4〜6週間で止まるはず。
- 更年期障害のような症状・骨密度の低下
卵巣を取ると、エストロゲンの分泌がストップするので。ほてりなどがよくある症状だけど、そのうちよくなるらしい。内摘後にホル注を止めると骨粗鬆症の危険性が一気に増すので、卵巣摘出後は量は減らすことになると思うけど、ホルモン治療は続けること。閉経前の♀が卵巣摘出を受けた場合、術後はホルモン治療を受けることが多い。
以下は、実際のリスク。
- 感染症
どんな手術にもある危険性。術後に高熱が出たらピンチ。比較的稀なので、それほど心配はいらない模様。
- 出血
これも大抵の手術だとあり得るリスクだけど、これもまた稀なので、前もって輸血用に自分の血を準備しておくほどのことでは無いらしい。
- 麻酔に対するアレルギー反応
息が苦しくなったりする。アレルギーのある人は、術前に医師に報告すると思うけど、使ったことない薬だと判んないしね。でもこれも比較的稀だし、手術にはつきもののリスク。
- 周囲の臓器へのダメージ
手術に使う器具で、腸、膀胱、尿道 etc.に傷をつけてしまう、ということ。あり得るけど、稀。
- 深部静脈血栓症(Deep-vein thrombosis)→肺塞栓症
いわゆる「エコノミー症候群」と同じもの。腹部の手術では、DVTのリスクがあるらしい。これは肥満だったり、長い間動かなかったりすると更に危ない。術後、動けるようになったらすぐに歩き回らされるのは、このためもある
Dr. O'Hanlanのサイトによると、内摘の後遺症について、以下は誤解であるらしい。
よくある誤解 (
Dr. O'Hanlanのページより)
- 不感症になる
何も変わらないらしい。オ)レガズムの際に子宮が収縮するのが無くなるので、ちょっと変わった、という人も多いが、良いとか悪いとかではないみたい。
- 老化に拍車がかかる
エストロゲンが若さを保っていたわけではないんだし、関係なし。
- 太る
これもホルモンバランス云々という理由だと思うけど、関係ないみたい。術後、疲労感に任せて家で食っちゃ寝してたら、そりゃ太るだろうけど。
- 膣脱、膀胱瘤、直腸瘤(内臓が落ちてくること)などになる
一番よく聞くんだけど、実際は内摘との相互関連は無いとのこと。一番のリスクは、肥満と出産。
最終更新日:2014年3月24日
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