TRANS* SRS 内摘 主な術式

主な術式

腹式子宮全摘術 (TAH)
Total Abdominal Hysterectomy

最も基本的な方法で、婦人科の専門医でなくても出来る方法。下腹部を10〜20cm平行(癌や大きい腫瘍などの場合は垂直)に切開して、そこから靭帯の切断及び子宮・卵巣、卵管の切除・摘出を行う。切開が大きく、回復に一番時間がかかる上、目立つ傷痕が残る。専門医曰く、通常はこれ以外の方法が無理な場合のみ、つまり最後の手段として行われるべき術式だけど、一番一般的に行われているらしい。

腟式子宮全摘術 (TVH)
Total Vaginal Hysterectomy

切断・摘出・縫合のすべてを膣から行う方法。表向きに傷が残らず、TAHに比べて回復も早い。ただ、子宮が大きかったり大きい腫瘍や癌がある場合には使えない。上のほうがよく見えないし、届かないので、卵巣が取れない場合がある。膣が狭いと難しいので、主に出産経験がある人に行われる。また、無理矢理こじ開ける(?)ためか、他の術式よりも腹圧性尿失禁の後遺症に見舞われる可能性が高いらしい。

腹腔鏡手術(Laparoscopy)

近年主流化しつつあるのが、腹腔鏡下手術。腹腔鏡を使う手術の場合、まずヘソのあたりに小さい穴を開けて腹腔に二酸化炭素を送り込み、カエル腹のように膨らませる(じゃないと腸がウネウネしてるのが見えるだけなんだってさ)。左右にも小さい穴を開け、そこから器具を差し込んで、切断や縫合を行う。手術中どうしても上手くできない場合には、稀に腹部を切開することもあるらしい。

膣からのみでは難しいような上部の臓器まで見える/届くけど、腹をパックリ開けなくても良いので、体に対する負担(侵襲)も低く、術後の回復も早いのがメリット。

腹腔鏡下腟式子宮全摘術 (LAVH)
Laparoscopic-Assisted Vaginal Hysterectomy

子宮上部の靱帯の切断のみを腹腔鏡下で行い、子宮下部の靭帯切断、膣切開、臓器摘出、膣縫合は全て膣から行う方法。膣式ほどではないけど、これも膣から手術を行うので、狭い場合は難しい。

腹腔鏡下子宮全摘術 (LH)
Laparoscopic Hysterectomy

子宮上部と下部の靭帯を腹腔鏡下で切断したあと、膣から器具を入れて膣を切開し、臓器を膣から摘出し、膣上部を縫合する方法。LAVHよりもうちょっと腹腔鏡で頑張ってみる、って感じかな?これも膣から手術するので、狭いとより難しい。

全腹腔鏡下子宮全摘術 (TLH)
Total Laparoscopic Hysterectomy

最新の方法(といっても'80年代半ばから)。すべての切断・縫合を腹腔鏡で行い、膣または腹部の切開部から臓器を摘出する方法。膣からの操作は臓器の破片を回収するのみなので、出産経験の無い人・膣が狭い人でも受けられる。腹部の切開も、小さい穴が4つほど(1つはヘソ、1つは陰毛の間に)なので、あまり目立たない。ただ、総てを腹腔鏡下で行うには結構な経験値が必要らしく、できる医師は比較的限られている

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